1月末にメルボルン総領事として着任しました島田順二です。
これまで国内の外務省本省での勤務のほか、ワシントンD.C.、北京、ジャカルタで勤務してきました。太平洋をぐるりと回って日本を見てきたとも言えるでしょう。40年ほど前の学生時代に初めて訪れた外国の地がシドニーでした。それ以来長年憧れていた豪州での勤務が実現したことを心から嬉しく思います。
メルボルンには初めて参りました。古き良き伝統とともに、新しい未来を感じさせる緑豊かな素晴らしい街だという第一印象を持ちました。
昨年の山火事において被害に遭われた方々、また今も続くCOVID19に罹患された方々にお見舞い申し上げます。また、これらにより尊い命をおとされた方々、そしてその家族の皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。COVID19の禍いはまだ続いております。家族が離れ離れになって辛い思いをされている方々や不安を感じている方々も多いでしょう。我々総領事館としても、離れていても心は共にあるという思いで、日豪交流の進展、日豪関係の発展に貢献していきたいと思う次第です。何か不安なことや困ったことがありましたならば、総領事館までご連絡ください。
今、日豪両国は「特別な戦略的パートナー」であり、アジアの中の最良の友、最良のパートナーであると思います。それを言葉だけではなく、実際の具体的な協力の成果としてより一層示して行くことが重要です。
経済面では、ビクトリア州で始まった世界初の褐炭水素サプライ・チェーン・プロジェクトが大きな節目を迎え、水素の生産と液化作業が始まりました。今年の後半にはラトローブの褐炭から作られた液化水素が世界初の日本の液化水素運搬タンカーで日本に出荷されます。日豪間の貿易・投資の発展には微力ながらも全力で臨みます。
宇宙分野での協力も未来を見据えたものとして、南豪州にある豪州宇宙庁との協力は益々重要になるでしょう。昨年末には小惑星探査機はやぶさ2のカプセルが南豪州に帰還しました。種子島から出発したはやぶさ2が約3億キロ離れた小惑星の試料を採取し、ウーメラにカプセルが帰還したことは、まさに日豪の壮大な絆を象徴する一例と思います。
先般のテニス・車椅子テニスの全豪オープンでの大坂なおみ選手をはじめとした日本人選手達の活躍には感動しました。また、メルボルンで初めての日本食普及の親善大使として荒金育英シェフが任命された他、2月には日本からの初めてのいちご輸入も実現し、日本産品の輸出拡大も盛り上がりを見せています。COVID19禍であっても、姉妹都市、スポーツ、学術、文化などでの交流もオンラインなどを活用して、少しでも明るい話題を提供できるよう、夢と希望を持って推進していきたいと思います。
当総領事館はビクトリア州、南豪州、タスマニア州の3州を管轄区域としています。できる限り頻繁にこれら3州を周りたいと思います。皆さまにお会いできる機会を楽しみにしています。もし見かけることがあれば、どうぞお声を掛けてください。
在メルボルン日本国総領事
島田 順二
令和3年4月