剱 弘幸 2021-22年度会頭就任挨拶: メルボルン日本商工会議所年次総会

剱 弘幸 2021-22年度会頭就任挨拶: メルボルン日本商工会議所年次総会

この度メルボルン日本商工会議所の新年度会頭を拝命いたしました豪州三井物産の剱です。会頭就任に当たり一言ご挨拶申し上げます。

豪州を取り巻く環境は、コロナ禍の継続に加え地政学的緊張の高まりもあり、当地で事業活動を行う日本企業にとっては不確実性の高い状況が継続しております。このような状況において、会頭職という重責を担うことは誠に身の引き締まる思いであります。

コロナに関しては、豪州では政府の断固たる措置と市民の規制遵守により比較的上手くコロナの感染拡大を抑え込んできました。しかしながら感染力の強い変異種の登場もあって、ロックダウンが頻発、またそれが長期化する傾向が現れており、昨年度後半から力強い回復を見せ始めていた経済復興にも水が差されかねない状況が続いております。遅れていたワクチン接種が加速され、早期の国内移動の正常化はもとより、海外との渡航往来が可能となる日が一日も早く訪れることを祈るばかりであります。

また、アジア太平洋地域における地政学的緊張は衰える気配を見せず、ミドルパワーとしての豪州が今後も一定の存在感を発揮しつつ自由貿易を土台とする経済発展を成し遂げるためには、相当難しいかじ取りが迫られていると感じられます。その中で、日豪関係は昨年11月のモリソン豪州首相の日本訪問に象徴される如く、「特別な戦略的パートナー」として重要性と緊密性が増しており、民間ベースでも日豪協力関係を深める環境はかつてないほど整ってきていると思います。これも山上大使、島田総領事をはじめとする日本政府関係者のご尽力とJETRO等の関係各機関の皆さまのご支援の賜物であり、この場を借りて御礼申し上げます。

コロナ禍の影響で本年度の当会議所の活動もかなりの制約を受けるものと覚悟しておりますが、そんな中でも理事の皆さんのご支援を頂きながら、日本人会とも協力して少しでも会員各社のお役に立てればと考えておりますので、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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