松永一義名誉理事(メルボルン総領事)「2021年 年頭のご挨拶」

松永一義名誉理事(メルボルン総領事)「2021年 年頭のご挨拶」

JCCIMの皆様、新年おめでとうございます。

昨年当地では 甚大な山火事が多数発生し、多くの人々や動物が犠牲となった後、今度は新型コロナ感染拡大で再び多くの人々の命が奪われました。今でも日常生活だけでなく国際関係にその影響が及んでいる中、幸いにも日豪及び日本とビクトリア州との関係は引き続き良好です。昨年、菅首相が就任後初めて外国首脳と行なった電話会談も、日本での初の首脳会談相手もモリソン首相でした。コロナ禍で日豪両国が緊密な関係を更に強化し、国際社会で協力を行うことを再確認できたことは大変意義深いことです。

3年前VIC州で始動した日豪協同による世界初の褐炭水素サプライチェーンプロジェクトも 予定通り進んでいます。エネルギー分野以外にも、昨年末の小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセルのSA州帰還といった宇宙分野での日豪協力も大きな注目を集めています。

逆境のコロナ禍では、ポジティブな面を見出し好機に変えることも重要です。例えばバーチャルな人と人の繋がりは、意外と簡単で便利だと気付いた方も多いのではないでしょうか。時差が殆どない日豪間は今後もオンラインの活用でより緊密な繋がりが築けると思います。

経済分野においては、当地メルボルンは2度のロックダウンを経験し、企業の皆様は豪州内の他地域にも増して困難な状況を経験されたものと認識しています。そのような中、当館ではJETROとの共催での経済対策ウェビナーや領事メールを通じて、企業向けに重要性が高い規制等についての周知を行ってきました。

デジタル改革を最重要課題とする菅政権下では、 今後査証やパスポートのオンライン申請や長年要望のあった領事窓口での支払いのキャッシュレス化も進むことが期待されます。10月末には皆様にも声がけし「デジタル改革アイデアボックス」(https://ideabox.cio.go.jp)説明会を開催いたしましたが、海外視点からのアイデア投稿をお願いします。

最後になりますが、3年8か月の勤務を終え今月上旬に帰国することになりました。着任以来、JCCIMの皆様には折りに触れて日系企業の皆様が抱える課題の把握と解決、日豪間の更なる交流促進を念頭に様々な声がけや提案をさせていただきましたが、改めて皆様のご支援とご協力に感謝申し上げます。皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りし、離任と新年に当たってのご挨拶とさせて頂きます。

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