今般、メルボルン日本商工会議所の新年度会頭を拝命致しましたオーストラリア三菱商事の坪沼です。2年前に前任者から引き継ぐ形で、任期4ヵ月間だけ会頭をやらせていただきましたので、今回は2度目の会頭就任ということになります。まったくの微力ですが、今後1年間宜しくお願い致します。
さて、昨年は日豪通商協定の60周年という節目の年でしたが、メルボルン日本商工会議所も今年で55周年目を迎えるなど長い歴史があります。その間、日豪関係は貿易を中心に経済面で大きく発展し、また、良好な政治・経済関係を通じた両国の強い信頼関係を構築することに成功して現在に至ります。日豪のビジネスに深く携わる商工会議所として喜ばしい限りです。
また、身近なところでは一昨年12月のカンタス航空に続いて、昨年9月には日本航空がメルボルン・成田間の直行便を就航したことにより、日本からメルボルンを訪れる出張者や観光客は目に見えて増加しております。逆に日本を訪れるオーストラリア人も予想以上に増えているようです。日豪両国で人の往来が益々盛んとなり、日豪関係がますます発展していることは、商工会議所の皆様をはじめとする先人の方々のご尽力の賜物であり、改めて敬意と感謝の意を表したいと思います。
一方、日豪関係を取り巻くグローバルな動きに目を向けますと、アジアにおける北朝鮮情勢、欧州におけるBREXITに加えて、米国発の諸問題、即ち、トランプ政権のTPP離脱や、NAFTA再交渉、更には鉄鋼・アルミの輸入制限、イラン核合意やパリ協定からの離脱など、世界は枚挙にいとまがないほどの多くの難題を抱え、国際環境は先行き不透明感を強めています。中には、米中貿易摩擦の行方など、日豪関係に対して直接的・間接的に大きな影響を及ぼしかねない動きもあり、日本企業としては今後ともしっかりと注視していく必要があるだろうと思います。
メルボルン商工会議所と致しましては、グローバルな動きにも常に関心を払い、当地日本企業の声を代弁しながら更に日豪関係を発展させていくためにはどうすれば良いのか、皆様のお知恵も拝借しながら、真摯に考え取り組んで参りたいと思っております。ぜひ皆様方からのご協力をいただきたく、宜しくお願い致します。