松永一義名誉理事(メルボルン総領事)「2020年 年頭のご挨拶」

松永一義名誉理事(メルボルン総領事)「2020年 年頭のご挨拶」

メルボルン日本商工会議所会員の皆様,明けましておめでとうございます。

令和の幕開け後,初めて迎える新年となります。新時代を担う徳仁天皇陛下の最初の海外訪問地は奇しくもここメルボルンでした。この令和に込められた意味とその願いを込めて,ここメルボルンにおいて本年も引き続き「日豪の美しい調和」の実現に努めていきたいと思います。

昨年を振り返りますと,良好な日豪関係及び豪州経済を背景として様々な事業が進展した年でした。2020年度に初めての水素積出しを目指す褐炭水素サプライチェーンプロジェクトは,当地の積出設備と水素生産設備の建築が始まりました。さらには,日本企業によるM&Aも活発に行われ,日豪それぞれの企業が持つ強みを生かし事業を拡大していく動きも顕在化しています。

昨年10月に大阪で行われた日豪経済合同委員会会議では,日豪の伝統的な関係に加えて将来に向けた新たな関係の構築が総括されました。本年の同会議は,当館の管轄州である南豪州アデレードにて開催されることが予定されており,同州が注力している宇宙,再生可能エネルギー,ブロックチェーン等の新しい分野での日豪協力の進展を期待しています。

昨年はスポーツの分野の交流でも大きな盛り上がりがありました。日本開催のラグビーワールドカップでは,「にわかラグビーファン」も多く誕生するなど,国内でのラグビーの認知度が大いに高まると共に,豪州からも多くの観客が日本を訪れました。今年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催される年でもあり,スポーツ分野での交流は益々進展するのではないでしょうか。

本年は,スポーツを通じたビジネス機会創出や革新的技術推進など,メルボルンのスポーツ文化から日本が見習うべきスポーツを通じたビジネス交流の促進や,日本に関心のある大学生や日本への留学経験者と日本企業との接点を増やし,将来,日豪の架け橋となる人材の発掘・育成にも努めたいと思います。

総領事館は本年も貴商工会議所と連携を取りながら,両国の経済関係がより一層強化されるよう努力するとともに,日系企業支援を進めていきたいと考えております。

年初に当たり,会員の皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げ,ご挨拶とさせていただきます。

在メルボルン日本国総領事 松永一義

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