理事紹介: 松澤聡理事(ホンダ・オーストラリア)

早いものでメルボルンに着任してから2年が過ぎようとしております。家族も一緒に来ており、その間のオーストラリアの仕事や生活について、少し触れさせていただきます。

松澤理事グーグルアースでオーストラリアを真ん中において地球を眺めてみると、他の国々との距離が離れていることがよくわかります。特に北半球の先進国とは物理的な隔たりを感じます。これがオーストラリアの独特な文化を作ってきた大きな要素ではないかと思います。

まずは植物。珍しい花をよく目にしますし、ユーカリなどは独特の樹木の代表だと思います。動物もこれだけ有袋類の種類の豊富な国はおそらくないでしょうね。カンガルー、ワラビー、庭にも現れるポッサム、コアラ、ウォンバット、ハリネズミ、カモノハシ、など、ここでしか見れない動物が多いこと。こんな環境で育つからでしょうか、人間にしても同じ欧米人、と思えるところとそうでないユニークな面とが混在していて、ひとくくりに考えにくい特別な文化を作っている、と感じています。

歴史を見てみると、同じように若い大国であるアメリカと比べると、違いがわかります。地図を見てみると、この国には戦場がありませんね。アメリカは南北戦争という内戦がありましたから、あちこちに古戦場があります。ところがオーストラリアでは戦場、という場所がありませんね。メルボルン近郊の金鉱(ダジャレではないです)で過剰な課税に対抗しての反抗とか、アボリジニとの争いなど、小競り合い程度はあったにしても、大きな戦いはなかったようで、この歴史もオーストラリア人へ影響しているのではないか、と思います。残念ながら唯一言えるとしたら、日本軍の攻撃を受けたダーウィンでしょうか。 世界から遠く離れ、資源も豊富で、争いもあまりなく、従って割とのんびりした人たちが出来上がっていったのではないかと思います。我々よそ者は、いかなる歴史・文化であろうともこれらを尊重し受け入れてうまく融合していかなければなりませんね。

スポーツもAFLのように全く独自のものができていたりします。テレビを見たり、スタジアムに観戦に行ったり、こうした話をオージーたちとすると喜んでくれますね。この夏はクリケットも覚えようとトライしましたが、どうも時間が…テレビ観戦していても途中で寝てしまったりします。そんな話をオージーにすると大うけです。誰もがそう思っているみたいで。

4月から3年目の駐在生活となりますが、独自進化を続けるオーストラリアのまだ知らないところを見つけることを楽しみに、自然あふれる大地をエンジョイしていきたいと思います。

 松澤 聡(ホンダ・オーストラリア)


【松澤理事 略歴】

出身地:東京都町田市
経歴:1982年本田技研入社 汎用機器の設計に携わる 1996年よりアメリカの汎用研究所に駐在 2007年より本社海外営業部門でアジア大洋州を担当 2010年よりオーストラリアホンダに駐在
趣味:家庭菜園(こちらではできず…無念) ビデオ撮影・編集 ヒコーキ大好き(ただ見たり、写真撮ったり)

(JCCIMニュースレター2012年3-4月号に「巻頭言として」掲載)

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