監事紹介:霜田直人監事(三菱東京UFJ銀行)

監事紹介:霜田直人監事(三菱東京UFJ銀行)

皆さま、メルボルン日本商工会議所/日本人会の監事を務めさせていただいております、三菱東京UFJ銀行の霜田でございます。昨年11月に前任の矢野より監事職の重責を引き継ぎました。どうぞよろしくお願い致します。

弊行は1957年にシドニーにて駐在員事務所を開設以来、オセアニア地域でネットワークを拡大し、現在ではシドニー、メルボルン、パース、オークランド、豪州ストラクチャードファイナンス(プロジェクトファイナンス担当)の5拠点、総勢310名の陣容で業務を展開しております。当地メルボルンでは約120社の日系企業さま、およびオーストラリアの大手企業さまとお取引を頂いております。

私自身は、2009年5月から昨年11月までの約7年半、イタリア・ミラノに駐在しておりました。オーストラリアは2か国目の海外赴任地となります。欧州から中東を経由して南半球への移動は乗継ぎ時間を合わせて24時間以上掛かりましたが、極寒の環境から心地のよい夏季のタイミングにて赴任してきたこともあり、幸い体調を崩すこともなく、無事に当地でのスタートを切ることができました。

当地に赴任して最初に感心しましたことは、イタリア同様にカフェ文化が根付いていることでした。お洒落なカフェバーがたくさんある上、コーヒーの種類も豊富です。私自身はカプチーノを好んでよく飲んでおります。実はイタリアでは「カプチーノは朝しか飲まない」という暗黙のルールがありまして、ランチやディナーの後の締めのコーヒーにカプチーノを注文してしまうとウエイターさんはちょっと意外な表情を浮かべます。ミルクをたっぷり使った飲み物を食後に飲むということは、料理が十分ではなかったことを意味するからです。一方、当地では好きな飲み物を好きな時に自由に楽しんでおり、私も大好きなカプチーノを今では気兼ねなく楽しむようになりました。

また職業柄、外国の紙幣やコインにも興味を持っているのですが、オーストラリアは紙幣ではなく、ポリマーという薄いプラスティックで作られているというのも私にとっては新鮮でした。オーストラリア人にこの話をすると「お金をポケットに入れたまま海で泳げるようにするためさ」と自慢気に語ってくれるのですが、ポリマーを採用した理由は耐久性、清潔性、環境保全の為とのことで、自然環境を大切にする国民性がこのようなことにも表れていると感じました。そして、コインの形も面白いですね。50セントはやたらに大きくて12角形。以前、日本の貨幣処理機械メーカーの人から「オーストラリアの50セントは機械に詰まり易く、技術者泣かせのコイン」と聞いたことを思い出しました。その硬貨には、オーストラリアの国章が彫られていますが、こちらの国章に出てくるカンガルーとエミューは「前進しかしない動物」ということで、まさしくオーストラリアの発展の象徴、そして前進し続ける国という強い信念が込められているとのことです。

オーストラリアというと以前は資源中心のイメージがありましたが、近年に於かれましては食品や建設、物流、金融など資源以外の様々な分野でも日本企業による投資が活発化してきております。豊富な資源や安定的な人口増加は引き続きオーストラリアの経済を支えていくことと思いますが、それに加え、これからのオーストラリア経済を支える新たな産業が今まさに求められています。時代の流れによる一つの転換期を迎えていると言えるでしょう。こうした中で、日本人や日本企業が果たせる役割は大変大きなものになるのではないかと期待している所存であります。

今後、商工会議所や日本人会の活動を通じて、微力ながら日豪関係の更なる発展に貢献したいと考えておりますので、ご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。会員の皆さまの益々のご発展を祈念しております。

三菱東京UFJ銀行
霜田 直人

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